スキーヤーは熱扉車の夢を見るか

「オープンカーで如何にしてスキーに行くか?」に挑戦してきたスキーヤーがたどりついたホットハッチ=熱扉車ライフ。

カテゴリ:クルマ > GRヤリスのインプレッション

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雪に恵まれた(というか普通に降ってる)今シーズン、ある程度雪道を走ったので、GRヤリスRS +中華スタッドレスGRIPMAX ICE Xのインプレをしたいと思います。


以前ご紹介した通り、サイズは205 50R17で純正サイズとは外径キープでインチダウンしてトレッドも細くしていますし、未使用品であるものの3年落ちの在庫品です。また私自身、FFとスタッドレスで雪道を走るのがバルケッタ以来20年ぶり、なんならオートマで雪道を走るのはほぼ初めてという事情もあり、これから述べるインプレがGRヤリスの特性なのか、タイヤ本来の性能なのか、それとも私のスキルや感覚によるのか、区別する事ができないまま買いていることはご了承ください。

ドライ路面
スタッドレスといえどもその大半はドライでの走行なので、まずはそちらから。スタッドレス特有のビューというパターンノイズは、このタイヤはあまり鳴りません。また、触った感じコンパウンドが柔らかいためか、ゴーというロードノイズも静かで、むしろ夏タイヤより静粛性は高いかも知れません。
ただ、やはり腰高というか、ちょっとフラッとする印象があり、それがサイズから起因しているとすると、コストのために夏タイヤをこのサイズに落とすのはないかなあ、と思っています。

平地ならトラクションは十分
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今年は雪が早くて多く、除雪が間に合わない所に突っ込まざるを得ないこともありましたが、スタックすることなくフロントスポイラーでラッセルしながらどんどん前に出てくれました。降雪のあった朝など、車前方の雪かきをする手間が省けるのは助かります。上り坂でギブアップしたのは消雪パイプが故障した私道の急坂だけなので、苗場〜湯沢エリアの公道であればチェーンの出番はほぼ無さそうです。

タックインは強め
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アクセルオフでのタックインは明確にでます。ノーズが入るというよりは、自分中心にヨーが出る感じで、テールが流れるんじゃないかとヒヤッとする事があります。そんな感じがするだけで実際流れたことはありませんが、特に下りのコーナーはパーシャルスロットルでクリアできるよう、余裕を持った侵入速度に落とすのが肝要です。
縦方向に比べると横方向のグリップが弱いためこのようなフィーリングが出るのかと思いますが、それがタイヤの性能なのか、ドライで駆動方式を忘れるほどのGRヤリスの回頭性の良さがμの低い場面で顔を出しているのか、私が下手くそなだけなのかは今のところわかりません。

LTAはオフ
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取扱説明書にも「雪道ではオフにしてください」とありますが、オンのままでは非常にフラつきます。とくに直線では顕著で「タイヤがグリップしてないのか?」と思ったほどです。
エンジンを再スタートするとオンに戻っているので、その度にオフにする(ボタン長押し)のは煩わしいですが、デフォルトを安全寄りに設定するのはやむを得ないですね。

下りはマニュアルモード、登りはATモード
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GRヤリスRSのCVTにはいわゆるSレンジやBレンジはありません。かといってDレンジのまま坂を下るとどんどん加速してしまうので、マニュアルモードを使うのは必須だと思います。10段あるステップの中で、2段目から5段目を使うことが多いです。使える段数がMTより多い分、より緻密に勾配や速度、カーブの深さにあわせたギア比が選べますし、何よりパドル操作で躊躇なくシフトダウンできるのが良いです。MTはやはりクラッチを切って繋ぐのに時間がかかるので、シフトダウンを迷っている間にコーナーがせまり高いギアのまま突入、ということがありますが、それが起きにくいのは安心です。平地から登りについては、クルマに任せたほうがCVTの良さが生きる(適切なトラクションを引き出せる変速比になる)と思うのでATモードを使っていますが、今後マニュアルモードも試してみようと思ってます。

全体的に「もう少しグリップしてくれても」というフィーリングはありますが、なにせ比較対象が遠い過去で条件もレアすぎなので、今後も注意深くクルマの動きをウォッチしていきたいと思います。

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納車から5ヶ月あまり、街乗りから峠、首都高から高速までいろんなシュチュエーションである程度の距離をこなしましたので、このあたりで走りのインプレッションをまとめておきたいと思います。

120psを絞り切るパドルシフト
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このエンジンの一番オイシイところ(3~5000回転あたり)を使いながら、パドルシフトをカチカチ操作して峠を走るのは脳みそがトロけそうな気持ちよさがあります。これが非常識に飛ばさなくとも味わえるのは、まさに合法ドラッグです。CVTであることを忘れそうですが、おそらく10段のステップの切り方が絶妙なんだと思います。ドライブモードは、パドルを使うならNORMALの方がショックが少ないのでおすすめです。
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Dレンジに入れっぱなしでパドルを使わないなら、POWERモードを選ぶと回転を高めにキープしてレスポンス良く走りますし、コーナー手前のブレーキングでも賢くシフトダウンもしてくれます。峠で前走車がいる時や、初見の道でペースを抑える時はこちらの方がスムースに走れると思います。

ソリッドにしてリニアなタッチのブレーキ
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レンタカーで借りた時はあまり印象になかったのですが、ブレーキは望外に良いです。キャリパーはノーマルヤリスと同じツーピースタイプですが、踏めば踏むだけ効くし、抜けば抜いただけ緩むリニアさは欧州車の趣きがあります。ボクスター時代は「モノブロックキャリバー+対抗ピストンじゃなければ!」でしたが、べつにそんなことないな〜と思ってしまいます。

クイックではなくファスト。おもいのままのハンドリング
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ステアリング操作に対して過敏でもルーズでもなくノーズがインに入るのは最近のクルマなら当たり前になってきましたが、その後もパーシャルでピタッとニュートラルを保ち、よほどのペースでなければ切り増してもアンダーは出ず、S字での切り返しで重心が反対側にダイレクトにシフトするようなフットワークは非凡です。この車がFFであること忘れてしまいます。

3ドアのヤリスとして気負いなく乗れる
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ここまでスペシャルでスポーティなのに、街乗りや高速での乗り心地はあくまでもしなやか。パーキングスピードではステアリングも軽く、ノーマルヤリスと同じインテリアは肩の力も抜けてて、足グルマとして過不足なく使えるのがイイです。

ポルシェに似てるけど、ちょっと違う
操る楽しさと快適さや実用性を両立している点で、このクルマはポルシェに近いものがあります。これはレンタカーで借りた時から感じていましたが、自分で所有してからも変わりません。

ポルシェの方が両立している次元が高く、それに伴って手に入れるためのコストも高く、味わえる機会も限られるのが大きな違いですが、中でも一番違うのは所謂「着ている」感覚の濃さです。
クルマの隅々まで自分の神経が入り込んでいるというか、自分の皮膚にボディやサスペンション、ブレーキが貼りついているような感覚はやはりポルシェならではで、GRヤリスはそこまでの一体感はありません。おそらく沢山の要素が積み重なった結果なのでしょうが、一つ大きいのはシートの差かな、と思っています。
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GRヤリスのシートも決して悪くありません。追加コストを払って社外品に変えるまでもないと思えるくらい良いです。ポルシェのシート(標準でレカロ製)が異常に良いだけだと思います。

車両の価格や維持費の安さ、手軽に乗れる車格にもかかわらず、走りの満足度はかなり高いです。こういうクルマはなかなか現れないと思うので、このタイミングで買ってよかったなあ、と思っています。

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今年は井上昌己さんデビュー35周年イヤーという事で、前回のショーサンプラザでのフリーライブに続き、半蔵門のTokyo fm ホールにて行われたバースデーコンサートにGRヤリスで出かけてきました。

このコンサートは毎年開催されて今年で11年目。350曲を越える井上昌己さんの曲を管弦楽にアレンジし、一流の奏者とホールで聴かせるという贅沢なイベントです。例年地下鉄で出かけるのですが、暑さを避けつつ、首都高インプレもかねてGRヤリスででかけました。
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休日の官庁街は意外と駐車場もリーズナブルです。

首都高といえば、短い加速車線やタイトな車間距離での合流など、素早い加速が求められますが、RSのパワー(120PS)でも、走行モードNORMALでパドルシフトを使って引っ張るか、POWERでアクセルを踏み込めば充分なレスポンスと加速が得られます。逆に言えばNORMALでオートマチックのままでは合流先車線の後続車にやや迷惑をかけるかも知れません。
路面の繋ぎのいなし方はさすがGRで、不快な突き上げもなく段差を吸収しながら、上下動は一発で抑え込んでくれるので、気持ち良くクルージングができます。
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コーナーが連続するセクションでも、ステアリング操作に対しノーズがリアルタイムにインに入っていく一方で、不安定なロールもないので安心感があります。
首都高では、硬いボディの下で脚が一貫してしなやかに動いているのが感じられ、これはピッチやロールを抑えるために脚を固くしたり、演出的にハンドリングをクイックにしたりする事とは対局にある私好みのスポーティさを堪能しました。
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一方コンサートの方ももちろん私好み。今年はアップテンポの曲がやや多かった印象で、管弦ならではの音やリズムの跳ね感や粒立ちが味わえて、音楽の面白さを再発見することができました。
こんな新しい地平線に聴き親しんだ楽曲と歌声で連れて行ってもらえるのは井上昌己さんとこのメンバーだからこそ出来るんだと思います。これからも続けてほしいし、夜景や自然が美しい会場での開催も期待したいです。

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GRヤリス納車から1ヶ月がすぎたので、徐々にインプレをしていきたいと思います。まずは装備編です。

デザイン
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私は幼少期にスーパーカーブームの洗礼を受けた後、国産3ドアハッチバックや2ドアハードトップに憧れ、後席ドアと窓枠をアレルギー的に忌避したカーライフを送ってきました。

そんな私にとって、専用の3ドアボディとサッシュレスドアをおごったGRヤリスとの出会いは運命だったのかも知れません。
ドアを減らしたうえにルーフを下げ、さらにオーバーフェンダーでワイド化し、グリルの開口部まで広げる力の入れようなのに、前後の灯火類はノーマルヤリスと同じという「可愛いんだかイカついんだか分からない」(by妻)アンバランスさがいいです。

ボディカラーは赤一択
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メジャーな白は妻が受け付けず(商用車に見えるらしい)、黒はせっかくのカーボンルーフやグリル周りが目立たないので赤一択でした。赤のRSは流通が少なく、300キロ彼方の販売店まで新幹線で買いに行きました。黒とのツートンは有彩色が映えると思うので、イエローとかシアンブルーとか選べると良いと思うのですが。(画像はフジ・コーポレーションのタイヤシミュレーターから)
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絶妙な高さのシート
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スポーツカーとしては座面が高めですが、ノーマルのヤリスよりは低いですし、私はやや高めが好きなので気に入っています。むしろ助手席に乗る妻の方が視点が高く安定感がないと強い不満を訴えていますが、残念ながら助手席はシートリフターがないので、ここは妻には申し訳ないポイントです。

シートベルトが鎖骨にあたる
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私はシャツの襟でさえ鎖骨に当たるとムズムズして気になる体質なので、シートベルトアンカーの上下調整もなく、シート側にホルダーもないと、ムズムズがとまりません。自撮りするとガチ鎖骨が浮いていてこれは辛そう(笑)。厚手のハンカチを挟むと少しマシなので、シートベルトパッドを試してみようと思います。

Tコネクトナビと運転支援システム
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HUDの存在は現車を見に行って初めて知りました。レンタカーにも付いていたはずですがオフだったのかも。投影位置はやや目障りですが、ナビの案内が表示されるのはいいですね。これだけでも純正ナビの地図をアップデートする価値を感じます。あとナビ画面の自車表示が赤いGRヤリスなのはデフォルトなんだろうか。
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コネクテッドサービスや運転支援機能は持たないカーライフの間にその効果の絶大さを感じていて、絶対欲しいオプションでした。最早最新ではないですが、欲しい機能は揃っているので不満はありません。カタログ上RSには設定がないはずのスマートクリアランスソナーとリアクロストラフィックアラートがついているのは何故なんだろう?
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GR純正エアロキットとスポーツマフラー
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どちらも自分の趣味ではなく、「買ったら付いてた」のですが、悪くないですね。特にスポーツマフラーは3気筒なのに4本出しってどうなの?って感じですが、一つ一つの径が小さめでむしろ目立たないし、このクルマの唯一で最大の欠点であるダサめの排気音が改善されてるのは瓢箪から駒でした。
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GR純正ディスチャージテープ
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これも、買ったら付いてました。効果の有無云々より、GRロゴ多すぎです。コーティング前に剥がしてもらえばよかったなー。

使い勝手
室内の収納は数は多いものの、トレイばかりで蓋がなく、それなのに唯一の蓋つきであるグローブボックスには照明がない、というのはどうかと思う。とりあえず百均でセンサー付きLEDランプを買って両面テープで貼り付けました。開くとセンサーで点灯する、という目論見でしたが日中だと成功率10%くらいです。真価を発揮するのは夜ですが、まだ試してません。
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RSならではのリアアンダートレイは書類やマニュアル、工具類など使用頻度の低いものを整理するにはもってこい。特にスキーシーズンは万が一に備えたチェーンやら牽引ロープ、サイドブレーキ代わりの車止めなど小物が多いので助かります。
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Apple CarPlayがあるので、IPhoneの画面を参照する機会はほぼなく、今はエアコン下のトレーに放置ですが、しっかり固定したい気もするので、ホルダーは今後検討ですね。
あとはスキーシーズンまでに、暗いと評判のフォグランプの強化や純正のリアフォグ装着、明らかに雪や泥が跳ねそうなフロントのマッドフラップあたりを検討したいです。

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