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アクアの次はその兄貴分、プリウスです。これだけ売れているクルマですし、ズボラめの運転を許容するような緩めのクルマなのかなー?と思っていたのですが、そんなことはなかったです。とはいえかっちりソリッド、というわけでもなく、いい塩梅でバランスがとれたクルマでした。

車格的には3ナンバーで、いつも借りてるクルマたちより幅がありその分Aピラーが外側にあるので、前方視界は良好です。
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プリウスといえばセンターメーターですが、幅が広いため、右端にあるスピードメーターに関して言えば確かに視線移動は少ないと思います。しかしそれ以外は遠く感じたので、あまりメリットは感じませんでした。
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シート高さの調整しろの設定が適切なのか、上いっぱいとか下いっぱいにせずともドラポジがピタッときまります。ステアリングは、位置こそセンターメーターとの干渉を防ぐためかやや低めですが、直径は小さすぎず、太さは太すぎず、へんにスポーティに振っていないのが好印象です。ヤリスやアクアがスポーツカーのように小径かつ太めなのとは対照的です。

流石にこの車格なのでトランクルームもこの広さ(写っているリュックは45リッターサイズ)。巨大空間ではないですが、引っ越しでもしない限り不足するとは思えず、乗用車として必要にして十分ではないでしょうか。
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走りの方は、トレッドもホイールベースも大きいためか、ロールもピッチも穏やかで、車の懐が深い感じがします。とくにピッチングは穏やかで、バッテリーの重さも良い影響を与えているのかも知れません。

アクセルペダルの踏み加減に対しては、ポンと飛び出たり空走感があったりすることなく、ドライバーの操作に穏やかに忠実に従ってくれる印象です。それでいて踏み込んだ時はハイブリッドらしい十分なパワーがタイムラグなく溢れてきます。
ブレーキのフィールはヤリスに似て、踏み始めにカックンがあるものの、そこから踏み込めば制動力がちゃんと出るという、楽な国産とリニアな欧州車のいいとこ取りみたいなブレーキです。

ハンドリングは、ステアリング操作に遅れることなくノーズが向きを変えてくれますし、その後もアンダー感はでず、切り返しでもリアが「ドッコイしょ」とすることなく付いてきます。かと言ってクイックとか神経質ではないので、当たり前に曲がっているだけに感じてしまいがちなのですが、Rがキツくアップダウンの大きいワインディングでも、けっこう楽しく運転している自分にふと気づいたりします。

つまり、普通に運転すれば、なんのストレスもなく快適に乗れるのに、ムチを入れればそれに応えて思い通りに走ってくれるという両面性を兼ね備えたクルマです。それでいて、単にその真ん中をとっただけではない素性の良さを感じました。

スタジオジブリのアニメは、親子で観ても楽しめるのに、メカマニアやアニメオタクも唸らせて、その上どちらの心にも何かを残してくれる名作揃いですが、このプリウスもファミリーやシニアが楽に快適に乗れるのに、クルマ好きや運転好きも納得できる走りがあり、まさに「クルマのジブリ」だと思いました。

思わず「新型プリウス」と呼んでしまいそうな本モデルですが、実は初登場は2015年。しかしクルマとしてのアドバンテージは十分で、7年も経っているとは思えません。その一方で電子的な装備の古さは否めないですね。オプションによるのかもしれませんが、USBポートが無いのには驚きました。また、インフォーメーションディスプレイを操作するステアリングの十字キーは使い方がさっぱりイメージできないデザインでした。そろそろ新型が発表されるらしいので、きっとそういうところは改善されると思います。

個人的には走りが気に入ったので、同じプラットフォームを採用しているカローラスポーツも気になりますね。また、ユーティリティはカローラクロスやカローラツーリング、流行りのスタイルはC-HRがあるので、新型プリウスはいっそのこと4ドアスポーツにふったらいいのでは、と思ったりしています。


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