突然ですが。ボクスターを手放しました。次のクルマも買いません。つまり、マイカー、自家用車を持つことをやめました。
ポルシェに飽きたわけでも、ローンが払えないわけでもないのですが、将来のこと(生涯賃金とか、老後の生活とか)を見通した上での決断です。
お金があると言う事は、すなわち選択肢がある、という事だと思います。自由と言い換えてもいいでしょう。
しかし残念ながら、定年まであと数年、将来のお金=選択肢を増やす事は難しいのが私の現実です。
一方、クルマとは都内住みにとって生活必需品ではなく、いわばオモチャです。にもかかわらず、私はそのオモチャの真髄を楽しむ機会が少なく、年に数回、三国峠とか赤根峠を登って下るだけ。実質2時間くらいでしょうか。そして楽しいのは私だけ。
そんな2時間の楽しみと引き換えに、将来のお金=自分や家族の将来の選択肢、自由の幅を狭めていることを、私の心が許さなくなりました。
今は現役で収入もあるのだから、それまでは楽しむ、という考えもアリですが、定年後はポルシェはおろか、いかなる自家用車も維持することは難しいと見込まれ、遅かれ早かれ諦めざるを得ないのが現実です。
また、一般的なクルマへの乗り換えも、ポルシェの維持費は特別高額ではないので、負担はさほど軽くなりません。にもかかわらず満足感は大きく損ねることになり、これは割に合いません。
遅かれ早かれ結果が同じなら、なるべく早くマイカーそのものをやめた方が、傷は小さくてすみます。
私に収入を増やす時間や気力が残されていたら、週末ごとに箱根に走りに行くようなタイプだったら、ポルシェの魅力とそのコストの手頃さを知らなかったら、結論は違っていたかも知れません。
そんな人に「クルマ買うなら何がいいですか?」と聞かれたら、私は「ポルシェ」と答えます。
ポルシェは数々の神話に彩られた、多くの人々の夢であり憧れの存在です。16年もの間、それを我が物にし神話の一翼を担えたのですから、私のカーライフは幸せだったと思います。
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