室内の灯火類をLED化していて気づいたのですが、私の981ボクスターにはフットランプが付いていません。ダウンロードした取説や他のユーザーのブログを見ると付いている場合もあり、おそらくMY2015から廃止になったか、SやGTSの上級グレードにはあって、ベースグレードには無いのかもしれません。

少なくとも取り付け場所くらいあるのでは、と足元をのぞいてみたら…ありました、それらしい穴が。助手席側。
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運転席側。
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長方形の穴にラゲッジルームランプと同じ(どうやらVW系の汎用品らしい)部品が着くのだと思われます。

問題は結線ですね。これはフットランプの有り無しでポルシェがどのように作り分けているかによります。おそらく複数のケーブルが束ねられてユニット化(束線)されているはずですが…
(1)フットランプの有り無しに関わらず、束線が共通部品の場合
→すぐ近くまでフットランプ用の電源とコネクターが来ているはずなので、純正または互換性のあるユニットをコネクターで接続すればオーケー(白熱球ならLEDに換装)。点灯動作も純正通りになるはずで、いいことづくめ。
(2)束線が「フットランプ無し」専用品の場合
→ランプが純正か汎用品かDIYで手作りするかにかかわらず、自力で電源をどこからか取り出す必要があります。一番現実的なのは、ナビが取り出しているイルミ電源をでしょうか。おそらく天井のアンビエントライトとは動作が同期しないでしょう。

今回は取り付け穴を見つけただけで、(1)なのか(2)なのかは見極めてませんが、ポルシェがこのどちらにするかは、メーカーなら必ず悩むジレンマなのです。

(1)の場合ベースグレードでは使わない無駄な部品(この場合はフットランプ近くまでのケーブルとコネクター)があり、部品コストが高くなります。選択肢としては無さそうに思えますが、必ずしもそうではありません。
(2)では「フットランプ有り」と「無し」で2種類の束線=2種類の部品が必要になります。部品の種類が増えると、部品を業者に発注する手間や、納品された部品をチェックする手間がかかります。生産終了後も修理用部品として在庫する部品が倍になってしまいます。また、見込みと違って極端に売れないグレードがあると、それ用の部品は無駄になります。(こういうのを管理コストと言います)。

つまり、部品コストを抑える→グレートや輸出先にあわせた専用部品が増える→部品の種類が増える→管理コストが増える、というジレンマがおきるのです。

「世界中で同一グレード、同一仕様」なら一番楽なのですが、現実にはそうもいかないので、この「部品コスト」と「管理コスト」のジレンマは色々なメーカーが知恵を絞っています。

981ボクスターで分かりやすい例は、DRL用のLEDランプでしょうか。
一般にLEDは、明るい(高輝度)ほど高価です。DRLは400カンデラから1440カンデラなので、高いLEDを使っているはずです。しかし、導入当時の日本の法規ではDRLの規定がなく「その他灯火類」として300カンデラの明るさしか認められないので、日本向けには安いLEDを装着しても良さそうなものですが、実際はそうなってはおらず、高価な高輝度LEDをソフトウエアで「明るく点灯しない」ように封印しているだけです。

話が横にそれましたが、束線の状況をよく調べて、今後のカスタムの方針を考えたいと思います。
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