今年もグッドデザイン賞が発表になりましたが…それを補完するカウンターアワードとして「インハウスデザイン オブ ザ イヤー」を勝手に選んでみました。
賞の目的…なぜ「インハウスデザイン」なのか?
グッドデザイン賞は、デザイナーの活躍の場を広げることを意図してか、賞の対象になる「デザイン」の定義や役割を広げてきました。一方、組織の一員たるインハウス(社内)デザイナーの職域や職権はなかなかそうは行かないのも現実で、グッドデザイン賞と自分の仕事の間に乖離を感じる事も少なくありません。
そんな中、インハウスデザイナー同士で「良い仕事してるよね」と讃えあうことで、達成感を味わったりして、サラリーマンの気苦労が少しでも癒せれば、と考えた次第です。
対象と評価基準
というわけで、この賞はグッドデザイン賞のカウンターなので、サービスとか「概念だけ」は対象外。またコンセプトの新しさ社会的な意義の高さだけでは評価しません。カッコ良くないとダメです。最後は「私」が「良い仕事してるなあ」と感心したかどうかです。
直近の一年間に発売された製品で、社外デザイナーが関わったという事実ないしは噂を私が感知していないものに限ります。
また、海外メーカーの製品は除きます。キリがないし、Appleばかりになる気がするので。
さらに当面は関連会社も含めた私の勤務先の製品も除きます。自画自賛や我田引水はカッコ悪い!
以上の厳しくもいい加減な審査を経た今年の受賞製品は次の2製品+次点1製品です!パチパチパチパチ〜
スズキ アルト ラパン「クルマのノームコア」

どこかで見た憶えがあるのに、どのクルマにも似ていない。レトロでもオマージュでもない。「子供の書いた車の絵をそのままカタチにしたような」と文字で書くのは簡単ですが、製品としてモノにするのには相当な造形的な試行錯誤があったはず。今までこんな車がありそうで無かったのは、このハードルを越える事ができなかったからでしょう。一見女子向けに見えますが、いやいや、今時の草食系男子や枯れたおじいさんが乗っててもピッタリくる「クルマのノームコア」。一番難しい「フツー」をクルマで具現化したのは凄いの一言です。
パナソニック ルーロ「これこそがデザイン」

ルーローの三角形という幾何学形態への気づきに基づいた、根本的なデザインを産みだしたのが凄い。もはや競合他社は三角形はできず。やればパクリの謗りをまぬがれない。そういう「これをやったら他社はお手上げ」なデザインをモノにできるチャンスにはなかなか巡り会えるものではありません。そのチャンスをシンプルな美しさでまとめた力量にも拍手。ロボット掃除機は残念ながら日本発のコンセプトではないけれど、ロボット掃除機を再発明したといっても過言ではなく、担当デザイナーは胸を張っていいと思います。
次点:トヨタ プロボックス「B to Bデザインのお手本」

「製品がどう使われるか」からさらに一歩踏み込んで「ユーザーがどのように振る舞うか」に注目したことが素晴らしい。
・A4バインダーまで収納できるトレー
・1リットルの紙パックまで置けるドリンクホルダー
・コンビニ弁当が置けるテーブル
・仮眠しやすいシート
・カバンが置けるセンターコンソール
などなど、ユーザーの徹底的な観察から産まれた工夫をあげれば枚挙に暇がない、まさにB to Bデザインのお手本になる仕事っぷり。
このブログ的には、車中泊の多いスキーヤー、スノーボーダーにも魅力的な車になる可能性にも注目したいです。
次点にしたのは、外装デザインをマイナーチェンジで変にカッコ良くしてしまったから。オリジナルの方がさりげなく匿名性があって良かったで残念でした。この点でB to Bとしては悪いお手本になってしまったのが惜しい。
以上、いかがでしたでしょうか。受賞2製品+次点1製品の担当デザイナーをご存知の方、もしいらしたらそっと教えてあげて下さい(笑)。
「俺はもっといい仕事してるぞ!」というインハウスデザイナーの方、ぜひ来年は一緒にやってみませんか?
画像は全て各メーカーさんのサイトからのリンクです。
賞の目的…なぜ「インハウスデザイン」なのか?
グッドデザイン賞は、デザイナーの活躍の場を広げることを意図してか、賞の対象になる「デザイン」の定義や役割を広げてきました。一方、組織の一員たるインハウス(社内)デザイナーの職域や職権はなかなかそうは行かないのも現実で、グッドデザイン賞と自分の仕事の間に乖離を感じる事も少なくありません。
そんな中、インハウスデザイナー同士で「良い仕事してるよね」と讃えあうことで、達成感を味わったりして、サラリーマンの気苦労が少しでも癒せれば、と考えた次第です。
対象と評価基準
というわけで、この賞はグッドデザイン賞のカウンターなので、サービスとか「概念だけ」は対象外。またコンセプトの新しさ社会的な意義の高さだけでは評価しません。カッコ良くないとダメです。最後は「私」が「良い仕事してるなあ」と感心したかどうかです。
直近の一年間に発売された製品で、社外デザイナーが関わったという事実ないしは噂を私が感知していないものに限ります。
また、海外メーカーの製品は除きます。キリがないし、Appleばかりになる気がするので。
さらに当面は関連会社も含めた私の勤務先の製品も除きます。自画自賛や我田引水はカッコ悪い!
以上の厳しくもいい加減な審査を経た今年の受賞製品は次の2製品+次点1製品です!パチパチパチパチ〜
スズキ アルト ラパン「クルマのノームコア」

どこかで見た憶えがあるのに、どのクルマにも似ていない。レトロでもオマージュでもない。「子供の書いた車の絵をそのままカタチにしたような」と文字で書くのは簡単ですが、製品としてモノにするのには相当な造形的な試行錯誤があったはず。今までこんな車がありそうで無かったのは、このハードルを越える事ができなかったからでしょう。一見女子向けに見えますが、いやいや、今時の草食系男子や枯れたおじいさんが乗っててもピッタリくる「クルマのノームコア」。一番難しい「フツー」をクルマで具現化したのは凄いの一言です。
パナソニック ルーロ「これこそがデザイン」

ルーローの三角形という幾何学形態への気づきに基づいた、根本的なデザインを産みだしたのが凄い。もはや競合他社は三角形はできず。やればパクリの謗りをまぬがれない。そういう「これをやったら他社はお手上げ」なデザインをモノにできるチャンスにはなかなか巡り会えるものではありません。そのチャンスをシンプルな美しさでまとめた力量にも拍手。ロボット掃除機は残念ながら日本発のコンセプトではないけれど、ロボット掃除機を再発明したといっても過言ではなく、担当デザイナーは胸を張っていいと思います。
次点:トヨタ プロボックス「B to Bデザインのお手本」

「製品がどう使われるか」からさらに一歩踏み込んで「ユーザーがどのように振る舞うか」に注目したことが素晴らしい。
・A4バインダーまで収納できるトレー
・1リットルの紙パックまで置けるドリンクホルダー
・コンビニ弁当が置けるテーブル
・仮眠しやすいシート
・カバンが置けるセンターコンソール
などなど、ユーザーの徹底的な観察から産まれた工夫をあげれば枚挙に暇がない、まさにB to Bデザインのお手本になる仕事っぷり。
このブログ的には、車中泊の多いスキーヤー、スノーボーダーにも魅力的な車になる可能性にも注目したいです。
次点にしたのは、外装デザインをマイナーチェンジで変にカッコ良くしてしまったから。オリジナルの方がさりげなく匿名性があって良かったで残念でした。この点でB to Bとしては悪いお手本になってしまったのが惜しい。
以上、いかがでしたでしょうか。受賞2製品+次点1製品の担当デザイナーをご存知の方、もしいらしたらそっと教えてあげて下さい(笑)。
「俺はもっといい仕事してるぞ!」というインハウスデザイナーの方、ぜひ来年は一緒にやってみませんか?
画像は全て各メーカーさんのサイトからのリンクです。
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