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今回の旅行では運転はしなかったのですが…街をうろうろしていて気づいた事をつらつらと書いてみようともいます。

パリはとにかく路上駐車が多いです。大きな目抜き通り以外は全部と行ってよいくらいです。実は街のいたる所に地下駐車場はあるのですが。
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路駐ならタダだから?それとも地下駐車場のキャパシティじゃ足りないのかな?ちなみに中心からちょっと離れた街だと、フロントガラスに駐車票みたいのが貼られているクルマが多かったので、地域住民には個別に許可が出ていたりするのかもしれません。


パリもブリュッセルも、信号機の背が低く、道路の上に出ていません。道路脇にあるだけです。
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シャンゼリゼのような大通り(東京で言うと246ほどの幅がある)では道路脇に加えて、中央分離帯にも信号がありますが、やはり道路の上には出ていないです。その分見通しはよく景観的にも綺麗です。
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ドライバーは信号を確認するために相当視線を移動しなければならず、それでいてクルマの流れは速いので、けっこうな緊張を強いられると思います。まあ、クルマの運転をしているんだから緊張感を持つのは当たり前だろ、という考え方なのかもしれません。


では歩行者信号は?というと、青になっている時間はとても短いです。わたり切るギリギリの時間しかありません。さらに「点滅」はしません。いきなり赤です。東京の感覚で青信号の途中から横断歩道をわたり始めると、いきなり赤信号に変わったりして面食らいます。歩行者にも自覚と緊張感を求めているのでしょうが、パリの場合はご老人や杖をついている障害者の方が多いのに大丈夫なんだろうか?
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パリでは1度だけ「押しボタン式歩行者信号」を使いました。東京ですと、クルマが途切れるのをまってから青になりますが、パリは問答無用で青に(クルマ側は赤に)なります。みんな急ブレーキです。日本のヌルいドライバーは追突事故を起こすのは必至ですね。

「歩行者優先」はブリュッセルの方が徹底していました。信号の無い場所で歩行者が横断待ちしていると、必ずクルマは停まってくれます。日本でも道交法ではそうなってますが、あんまり守られてないですし、急に守れば追突されちゃうかもしれないです。やっぱり日本のヌルいドライバーは追突事故を起こしそうです。
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歩行者にもドライバーにも適度な自覚と緊張感を求めるのは、やはり馬車の時代以来の歴史の長さ故でしょうか。成熟しているなあと思います。その一方でインフラやルールが未成熟故に、歩行者とドライバーの自覚と緊張でうまく行っているベトナムみたいな例(過去記事)もあるのは興味深いですね。


良く見かける車種はプジョー、ルノー、シトロエンそしてスマート。
ブリュッセルだとそれに加えてフォルクスワーゲンのゴルフやポロですね。
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パリの街中には電気自動車のカーシェアリングもありました。そんなには使われてないような?
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ポルシェはサンジェルマン デ プレ周辺でよくみかけました。大学と教会を中心に、カフェや洋服のお店が多いちょっとオシャレな街、なので東京で言えば青山?やはりプレミアムなクルマなんだろうか?
高級車と言えば、フェラーリやマセラティが路駐してあったりしたので、クルマを盗んだり、壊して車内から何かを盗むような粗暴な犯罪は少ないのかも知れません。

日本車で良く見かけたのはトヨタのプリウスとiQです。ビッツや日産マーチ、マツダならアクセラといった「世界戦略車」は意外と見かけなかったですね。一番印象に残っているのは日産「GT-R」。日本人の多いオペラの近く、早朝に路駐してあったのでオーナーは日本人かもしれません。東京でみると「過剰」「やり過ぎ」と思えるデザインなのですが、シックなパリの街中ではそれが凄く映えます。マセラティのようなプレミアムなクルマに見えるんです。正直すぐにはGT-Rだと分からず「何だこのカッコいいクルマは」と思ってしまいました。ヨーロッパではGT-Rを初め、インプレッサやランエボといった日本製スパースポーツがクルマ好きの間で人気らしいのですが、なんか納得しました。

東京では「シンプルで上品」が際立つ欧州のベーシックカー(例えばフィアット プントやフォルクスワーゲン ポロ)は、パリのような均質でシックな町並みでは埋没してしまって全く印象にのこりません。シトロエンやルノー、プジョーといったフランスのクルマがちょっと過剰なほど個性的なデザインなのはこういう環境だからなのかも。
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一方、New MINIやチンクエチェントのような「レトロデザイン」の欧州車は、埋没する事無く街に馴染んでます(ちょっとハマり過ぎでジョークみたいだが)。東京だとALESSIのキッチン雑貨みたいな「オシャレプレミアム」な位置づけですが、本来はこういう存在感を目指してデザインされたのだなあ、と思いました。

こんな風に街行くクルマを眺めていて不思議に思ったのはファッションとの関係です。あくまでシックでシンプルに、街にとけ込みながら控えめに個性を求めるパリのリアルファッションと、街中で存在感を際立たせるフランスのクルマのデザインがどうにもチグハグです。
「服は服、クルマはクルマ」と割り切っているのか?
「フランスのクルマのデザインは悪目立ちしてダサイ。でもしようがなく」乗っているのか?
1週間の滞在では分かるはずも無く…
まあ、日本で言えば「ユニクロのシンプルな普段着を来ている人が、羽根のついた派手なミニバンに乗っている」のと同じなので、傍からみるほど違和感は感じてないのかも。

よくクルマ雑誌や「CAR STYLING」といった専門誌に「環境によってクルマの見え方が違う」みたいな事が書いてあり、「本当か〜?」とか思っていたのですが、確かにそういう事はあるもんだな、と思った1週間でした。
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