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私が一番好きな絵の一つ、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」をついにこの目で観ることが出来ました。飛行機嫌いの私は死ぬまで観れないだろう、と思っていたのですが、所蔵しているマウリッツハイス美術館が改装のため、日本にやってきました。

会場は東京都美術館。混雑をさけ、1日200名限定のプレミアム鑑賞権を購入して挑んだ彼女との初対面!…第一印象は…「意外と顔色悪いんだな」…様々なメディアや印刷物に掲載されている画像はコントラストや色調がやや強調されているものが多いようです。ターバンも思っていたほど青々としていませんでした。上の画像(Wikimediaからリンク)はコントラストの低い物を選びましたが、実物はもう少しコントラストが低くて明るい印象です。

しばし時間を忘れ、この絵(というより描かれている少女の美しさ)に没頭して感じたのは、「この美しさを描き留めておきたい!」という衝動のようなものでした。彼女の美しさに突き動かされて、描かずにはいられなかった…そんな気がするのです。鼻やほほの陰影、くちびるの輪郭あたりのマチエールからも即興的に描かれた絵ではないと思うのですが、かと言って、何ヶ月も構想を練ったようには私には思えず…なぜそう思うのか上手く言えないのですが。強いて言えば、瞳や口元の城の絵の具をポンと乗せただけ(に見える)ハイライトとかですかね…

この絵は当時流行していた「トローニー」(特定のモデルはおらず、画家の想像で描いた人物画)なのだそうですが、ついついこんなストーリーを想像してしまいました。

時は1665年、オランダはデルフト。所用を終えて帰宅する途中のヨハネス・フェルメール(33歳)は何気なく居酒屋に立ちよった。

「おーい、ビールくれ!」

「はーい!」

振り向いたのはいつもの女主人ではなく、可憐な美少女。フェルメールに衝撃が走る!

「ちょ…超カワイイんだけど…つか、絵に描きてぇ!」

モデルとして彼女を雇い、じっくりアトリエで描くことももちろん出来る。でもそれは何かが違う…今描かなければ!この衝撃が薄れてしまう前に…!

しばしの逡巡の後、彼はやおら席を立ち店を後にした。注文したビールには目もくれず…

「お客さーん!ビール!」

アトリエについたフェルメールはすぐさま筆を手にした。

「やべぇ、超カワイイ!超タイプ!」

彼は3日間描き続けた。瞼の裏に焼き付いた彼女の美しさを、この出会いの衝撃をカンバスに描き留めるべく。

晴れて絵は完成、件の居酒屋に足を運ぶフェルメール。しかし顔を出したのはいつもの女主人。聞けばあの少女は、床に伏した女主人が代わりに田舎から呼び寄せた遠縁の娘、つまり臨時のアルバイトだったのだ。かくしてフェルメールは二度とあの少女に出会うことはなかったのである…

以上、なんの根拠も考証も無い私の勝手な妄想ですが、こんな事があったんじゃないかと思えてならないのです。それくらい私にも衝撃的な出会いでした。やはり絵は実物を観ないとわからんもんですなあ。
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