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遅くなりましたが、中国出張と上海リニアの話です。

今回出張したのは蘇州市。上海に近い歴史ある街です。中国は前回の珠海市つづいて3年ぶり2回目でした。 珠海とくらべると蘇州は大都会です。中心部には首都高のような都市高速(無料)と巨大な高層ビルがいくつもあります。道幅が広く、四輪車と二輪車(自転車と電動スクーター。普通のバイクは見かけない)が分離されているためかドライバーの運転にも余裕が感じられます。とはいえ「スキあらば突っ込む」というアジアンスタンダードは健在なのであくまで「若干余裕がある」程度です。
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中国では3番目に犯罪の少ない都市だそうで、確かに夜になっても道ばたで人がタムロったりすることも少ないようですし、ホテル近くの繁華街にも徒歩移動でも平気です。偽物ブランドバッグの店や海賊版DVDの店もありますが、店構えはまったく普通の店で怪しい雰囲気は皆無。Apple専門店もありましたよ。

驚いたのは高層マンション。日本の高層マンションを1.5倍したような巨大さなのですが、エアコンの室外機が、外壁に直付けされているのです。室外機置き場やバルコニーに乗せてあるのではありません。外壁に直接ボルトオンです。落下したら大変な事に…いやいや交換する時はどうするんだ??

蘇州と上海の間の高速道路はなんと片側4車線で最高制限速度は120km/h。舗装も滑らかで継ぎ目の段差も小さく日本の高速道路よりはるかに快適です。もっと素晴らしいのは、レーンごとの「最低速度」がきめられていること。追い越し車線は110km/h以上、真ん中の2車線は80km/h以上、もっとも低速のレーンは60km/hと表示されています。「スピードは悪」の日本とは正反対の合理性、見習うべきです。

高速道路ではスピード違反の車は少ないです。不思議に思い調べたところ、オービスがたくさん設置されており、違反車は高速を降りる際にETCで料金に反則金が上乗せされるという問答無用のシステム!さすがなんちゃって社会主義国。

走っている車種は、セダン中心ですがけっこう多様です。トヨタ、ホンダ、日産、プジョー、VW、アウディ、ビュイック、ヒュンダイなどなど。珠海ではメルセデスEクラスやBMW7シリーズなど高級車が中心でしたが一気に大衆化が進んだ印象です。

沿道にショッピングセンター(日本で言うマイカルみたいな)がいくつもあるのですが、大きさが東京ドーム並みです。とにかく何もかもデカイ。

出張最終日、早めに上海空港に到着しいざリニアへ!リニアの駅は第1ターミナルと第2ターミナルの中間にあります。「磁浮」というとても分かりやすい案内標識に従って進めば迷う事は無いと思います。
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開通しているのはとなりの駅までのみで、料金は普通車で片道50元。往復の割引や当日の航空券があると割引してもらえるらしいです。15分から20分間隔で運転されています。 車内のシート配列は3人がけ×2列となっており、最高速度だけではなく輸送力も考慮に入れた本格的な鉄道である事が伺えます。
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乗り心地ですが、新幹線が300km/hなら、430km/hはこんなもんだろうな、という感じです。無振動無騒音の夢の乗り物ではありませんが、高速鉄道としては妥当だと感じました。そしてなんと言っても速い速い!

ただしいつも430km/hで運転しているのは9:02〜10:47と13:02~16:47の時間帯で、それ以外は300km/hでの運転なので注意が必要です。

日本の中央リニアも実現に向け動き始めましたが、一刻もはやく実現すべきだと思います。ただし山梨実験線の車両ではダメでしょう。2人がけ×2列では「実験レベル」。かつて新幹線がそうであったように、スピードばかりでなく輸送力や料金も視野に入れた志の高いものを目指して欲しいものです。

このリニアばかりでなく前述の無料の都市高速や高速道路も、この数年で出来たものだそうです。これだけの社会資本整備をあの広大な国土で進めるならば、近い将来中国政府がアメリカのように財政赤字に苦しむのは必至でしょう。 また、個人レベルでは若いサラリーマンがかなり無理なローンを組んで住宅を購入している、という話も聞きました。アメリカのサブプライムローンを彷彿とさせる話です。 中国が世界経済の牽引役からリスクになる日はそう遠くないと感じた出張でした。
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