ウソのような本当の話です。
勤務先の現地法人(蘇州市)への出張だったのですが、機内検疫で新型インフルエンザと疑われ、検疫所で4時間ほど拘束されました。もちろん私はインフルエンザはおろか風邪すらひいていなかったのですが。

上海空港に着陸するとすぐに防護服を着た検疫官が機内に乗り込んで来て、乗客の額を赤外線センサーで一人一人検温して行ったのですが、私だけ何度も測る。次に電子体温計で口の中を2回ほど検温。パスポートの提出を求められ、私だけ機外に連れ出されました。検疫官からマスクを渡され、英語で「健康診断をする。4〜5時間かかる」との説明。すぐに携帯電話のスイッチをいれ、まずは出張先の責任者に連絡。

イミグレの手前にある検疫の詰め所の前のベンチに座るよう指示され、また検温。「詳しい健康診断をするよ」という意味と思われる中国語と英語の文書を渡され、ここで職場と家族に連絡。すると今度は出張先の人事担当副社長から「空港まで迎えに行く。」との連絡。しばらく放置されていると入国手続きが終わったらしくパスポートが返却されました。

次に空港内の診療所前のベンチに移動。今度は水銀体温計を渡されまた検温。問診があるわけでもなく、しばらく放置プレイの後、車で空港外に連れ出されました。「行き先は空港の近く、病院ではない」との説明。

このあたりから会社から借り出した業務用携帯電話が発信も着信もできなくなり、もっぱら自分のiPhoneで人事担当副社長や家族と連絡をとるようになります。

行き先は検疫施設のような所でした。応対した係官は平服で現れ、私を連れて来た係官に即されて防護服に着替える始末。先ほどからの度重なる放置プレイといい、かなり事務連絡がマズい印象。

ベッド2つにソファとテーブル、トイレとシャワーのある個室に通され、「4〜5時間検温して経過観察をします」と理解できる怪しい日本語の文書をみせられる。もちろん厳重に密閉…ではなく窓も扉もフルオープン。涼しい風がどんどん入ってくるし、「水を飲むことで体温が下がります」(と思われる日本語)ということで白湯を盛んに勧められるしで、「感染者を見つけ出す」のではなく「さっさと体温をさげて厄介払いしたい」という本音がミエミエ。

ベッドでゴロゴロしながら30分おきに検温。機内で読むつもりだった本とマンガが役に立ちました。
午後5時過ぎ、何度目かの検温の後、平熱が確認されたとのことで解放。空港まで送ってもらい、人事担当副社長と無事合流。車で蘇州市に到着したのは午後8時過ぎでした。

しかし風邪でもインフルエンザでもない私がなぜ引っかかったのでしょう?考えられることは…
(1)私は食事をすると汗をかくくらい体温が上がります。3時間程度の短いフライトで機内食をとったので、体温が下がっていなかったかも。
(2)私は肌寒いのが嫌いなので機内で毛布をずっと使っていました。たしかにポカポカでした。
(3)機内でソウルミュージックを題材にした韓国映画を観てノリノリだった。ちなみにスゴく面白かった。
(4)そもそも飛行機に乗るのが大嫌いなので緊張して興奮気味だった。

しかしよく考えてみれば、何時間も経過観察をしなくても簡易ウイルス検査をすれば10分で済むことなのに、なぜこんなことをするのでしょう??まったくわかりません。これでは機内で飲酒した人は全員アウトです。

ちなみに他の乗客はそのまま入国させ、私が感染者だった場合には呼び戻して隔離するのだそうです。

とにもかくにも、多数の感染者が発生している日本への視線は相当厳しいものがある、ということはあらためて認識する必要があります。とくに中国に行かれる方は、風邪を引いたままの渡航を避けるはもちろん、機内で体温を上げるようなことは避けた方が良いでしょう。平熱が高いだけだったとしても、問診はないので申し開きの機会は全くありません。

また、会社の携帯がつながらずiPhoneでしか通話できなかったのは、iPhoneをGSMモードに切り替えていたからだと思われます。中国での3G通信は、登場当時のFOMAのような状況のようです。携帯電話を海外に持ち出す際はGSMへの切り替え方法を確認しておくことをおススメします。

ながくなったので、蘇州市の様子や最終日の空き時間に乗った上海リニアの話はまた明日。
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