アンドリューワイエス

Bunkamuraで開催されているアンドリュー・ワイエス展に行ってきました。代表作「クリスティーナの世界」の展示はありませんでしたが、なかなか見応えのある展覧会でした。

私は最終的な作品も好きですが、それにいたる習作や素描を観るのが非常に好きです。習作や素描のほうが線に勢いがあって、作家の息づかいや筆運びが感じられるからです。今回は習作や素描の展示がたくさんあって非常に楽しめました。

アンドリュー・ワイエスの絵を観ていると、絵には描かれていないものも感じ取れる気がします。「火打石」では荒涼とした海岸に吹き荒れる風や打ち付ける波の音が、「松ぼっくり男爵」では松の落ち葉を踏みしめる柔らかな感触が、「鋭利な斧」では柔らかな日差しが感じられ、その情景にふれた彼の心情も伝わってくるのです。
ワイエスはアメリカの近現代を代表する作家ですが、そういう点では伝統的な日本画や近代日本の洋画に似てるなあ、と思いました。

また、水彩や鉛筆など身近な画材で描かれているのも親しみやすい印象を与えてくれるような気がします。久しぶりに自分も描いてみようか、なんて思ってしまいました。
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