西澤ヨシノリ選手、私も今日知ったのですが、ボクシングの東洋太平洋チャンピオンです。明日の防衛戦を勝てば世界戦への挑戦が現実的になるそうです。年齢は41歳。今日のNHKのニュースで「中年の星」と紹介されていました。41歳という年齢にも関わらず、年々体力レベルが向上し、試合の勝率も上がっていて、中高年の励みになっている、という内容でした。

41歳という年齢で、世界レベルのアスリートであるという驚くべき事実と、それを支える厳しいトレーニング、その源たる彼のボクシングへの情熱。どれをとっても感服しました。
私自身、学生時代にスポーツの経験はありませんでしたが、社会人になってからトレーニングを続け、30代になってから競技成績が上向いてきた人間です。それゆえ、この西澤選手やプロ野球の工藤投手、村田兆治氏など、年齢の壁を越えたアスリートたちに感銘を覚えます。

その一方でちょっと違和感を感じるのは(今日観たニュースもそうですが)年齢を壁を越え競技力を上げることを超人的でとてつもないこと、と紹介していることです。近年のトレーニング技術の進歩と、その一般化の速さ(スキー雑誌をみれば、オーストリアのスキー選手がどのようなプログラムで体を鍛えているか簡単に知ることが出来ます)から考えれば、「41歳って、そんなに驚くべきことかい?」と思うのです。むしろ賞賛されるべきはトレーニングを続ける精神力や、夢をあきらめない彼の人柄ではないでしょうか?

どのような競技でも選手の競技寿命は延びています。オリンピックの毎に「史上最高齢のメダリスト」が生まれています。スポーツばかりでなく、平均寿命も伸びている昨今、20歳で大人、30歳でおじさんの仲間入り、40歳で中年、という年齢の「壁」の捉え方自体を見直す時代に来ているのではないでしょうか。+10歳くらいで考えてちょうどいい気がします。

「壁」を見直すのは年齢だけではありません。私はオリンピックの開会式を観るのが大好きなのですが、最近気がついたのは、アフリカ諸国のコーチや役員が欧米人だったり、欧米諸国の選手団にアジア系の選手が参加したりすることが目立ってきたことです。地域や国籍、人種や性別、まだまだ壁は高くそびえているかもしれません。しかし、そんな壁がドロドロにとけていく時代は、もうすぐそこまで来ている気がします。

そんな時代が来るとしたら、しなやかな心とブレない価値観をもってなくちゃ、と思うのです。
とにもかくにも、西澤選手、がんばって欲しいものです。
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